【映画レビュー】『ロスト・キング 500年越しの運命』──歴史の迷宮を歩いた、ひとりの女性の挑戦
地味だけど、心を打つ実話──「ロスト・キング」とは?
Amazonプライム・ビデオでたまたま見つけた一本、『ロスト・キング 500年越しの運命』。
タイトルからしてファンタジーか?と思ったら、とんでもない。これは**現代のイギリスで実際に起こった“歴史発掘ドラマ”**なんです。
しかも主人公は考古学者でもジャーナリストでもなく、ごく普通の主婦。そんな彼女がイングランド王リチャード三世の遺骨を発見するまでの、まさかの実話です。
正直、映画の派手さはありません。だけど、なぜだかじんわり心をつかまれる。それはたぶん、「普通の人でも歴史を動かせる」というテーマがあるからじゃないかと思います。
映画のあらすじと主要キャスト紹介
🧭 あらすじ(ネタバレなし)
物語の舞台はスコットランド・エディンバラ。体調も人生もうまくいかず、夫とも別居中のフィリッパ・ラングレーは、偶然観たシェイクスピア劇『リチャード三世』に心を奪われます。
「リチャード三世は本当に悪人だったのか?」
「歴史は勝者が書くのでは?」
そんな疑問を持った彼女は、やがて史実を調べ始め、ついにはリチャード三世の遺骨が、ある駐車場の下に眠っているかもしれないという仮説にたどり着きます。
そこから始まるのは、考古学的な調査というより、人との闘い。無視、嘲笑、予算不足、組織の壁…。それでも彼女は信念を持って突き進みます。
そして、2012年――歴史の歯車が静かに動く瞬間が訪れます。
🎭 主な出演者
- フィリッパ・ラングレー役:サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』でも有名)
繊細で芯のある演技が見事でした。情熱と孤独のバランスが絶妙。 - 夫ジョン役:スティーヴ・クーガン(本作の脚本も担当)
一見頼りないけど、どこか憎めない元夫。現実味があってよかったですね。 - リチャード三世の“幻影”:ハリー・ロイド
歴史上の人物が幽霊のように語りかけてくる演出、ちょっと不思議だけど効いてます。
観終わったあとの余韻と、感じたこと
この映画、観終わって思ったのは「知識よりも信じる力が世界を動かす」ということ。
フィリッパは歴史家でも科学者でもない。だけど彼女には、直感と情熱がありました。
多くの学者たちが否定した仮説を、自分の感覚で信じぬいた。それが結果的に大発見へとつながるんです。
現代社会では、「資格がある人」や「専門家」の意見ばかりが優先されがちですよね。でも、この映画はそれを静かに問いかけてくれます。
「あなたは自分を信じていますか?」と。
ちなみに私は、映画を観たあとすぐに「リチャード三世」のWikipediaを読み漁りました(笑)。
そして、日本にも同じような歴史の“闇”がたくさんあるなと改めて感じた次第です。
あとがき:歴史に興味のある人に、ぜひ観てほしい一本
正直、エンタメ性でいえば派手なアクションや謎解きミステリーには勝てないかもしれません。
でも『ロスト・キング』には、「一歩を踏み出す勇気」と「知の探究心」が詰まっています。
歴史や考古学が好きな方はもちろん、人生で迷っている人にも刺さる作品です。
🎥 ぜひ、Amazonプライム・ビデオでご覧ください👇
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