静かな男、その正体は?
映画『ザ・コンサルタント』(原題:The Accountant)は、初見では”知的なサスペンス”を想像させるタイトルですが、実際には骨太なアクションと人間ドラマが融合した、意外性のある一本です。
主演はベン・アフレック。
知的障害を持ちながらも天才的な会計士として生きる主人公が、巨大な陰謀に巻き込まれていく過程を描いています。
予備知識なしで観ると「え、こんな展開になるの?」と驚かされるはず。
それほどまでにジャンルを一つに絞れない、不思議な魅力のある作品なんです。
あらすじ(ネタバレなし)と見どころ
物語の主人公、クリスチャン・ウルフは、一見すると無口で几帳面な会計士。
しかし、彼の素性には深い秘密があり、実は世界中の裏社会で”会計処理”を請け負う謎多き存在なのです。
ある日、大手ロボット企業の帳簿監査を依頼され、社内で不正を発見。しかしその瞬間から、彼の身の回りに危険が迫り始めます。果たして彼は、事件の真相にたどり着けるのか――。
この作品の魅力は、何と言ってもベン・アフレック演じる主人公の複雑なキャラクター設定です。天才的な計算能力を持ち、銃の扱いにも長けている。しかも、人付き合いが苦手で、ストイックに孤独を貫く姿がどこか哀しくもあり、観る者の感情を揺さぶります。
また、アナ・ケンドリックやJ・K・シモンズといった名脇役たちがストーリーに厚みを加えており、スリラーとしてもヒューマンドラマとしても高水準の仕上がりです。
観終わって思ったこと――これはただの”知的映画”じゃない
個人的に『ザ・コンサルタント』を観終わって最初に感じたのは、「これはアクション映画だったんだ!」という驚きでした。
確かにタイトルや冒頭の雰囲気は、いかにも知的な金融サスペンス。
しかし、中盤から終盤にかけての銃撃戦や格闘シーンは、完全にアクション映画のそれ。しかも、ただのド派手さではなく、緻密で戦略的。まさに“計算された暴力”という言葉がぴったりです。
特に最後の種明かしや人物相関が明らかになる瞬間は、映画の伏線が見事に収束していく快感があります。こういうところが、普通のアクション映画と一線を画している理由ですね。
【あとがき】思わぬ良作を、週末にどうぞ
この映画、派手な広告もなく地味な印象を受けがちですが、実際には非常によくできたサスペンス・アクションです。
Amazonプライム・ビデオでも視聴できますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
派手な爆発ではなく、静かに燃えるようなドラマと、スキのない戦闘描写。頭と心と、ちょっとした緊張感を味わいたい大人の映画ファンにぴったりです。